2024年開通予定の仮称「黒部ルート」と書籍「高熱隧道」

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初心者レベルですが、健康のためも含め時々登山を楽しんでいます。秋口には立山黒部アルペンルートを使って、雷鳥沢キャンプ場に泊まり立山に登ってきました。
立山黒部周辺には、いろんな登山道があるようで、黒部ダムからも黒部峡谷にある「下の廊下」という登山道を通って欅平・宇奈月温泉へ抜けるルートがあることを知りました。歩いてみたいとは思いますが、崖を穿って道を付けたところがたくさんあり、高度感も半端ないようです。体力にも自信がありませんし、落ちて死んだらいやなので実際には行けません。
この道はもともと、黒部第三ダム工事のために調査。物資の搬入などのために作ったそうです。この工事の様子が「高熱隧道」という小説の題材になって出版されていることを知り、古い本ですが読んでみました。

だいぶ前の時代ということや、戦中の工事ということもあり、電源開発が国策として進められ、工事中の殉職者も300名程度出たそうです。今では絶対あり得ない工事です。「下の廊下」でも崖沿いの道が今よりずっと狭かったことや資材搬入の負荷もあり、たくさんの人が転落してなくなってしまったそうです。
また、工事の人が泊まる飯場が、人の想像を超える特殊な雪崩「泡雪崩(ホウナダレ)」で4階建ての上部2階分が、75mの尾根を飛び越え600m飛び、峡谷の向かいの奥鐘山の岩壁に激突し黒部峡谷に落ちていったという事故があり一度に84名の方がなくなったそうです。
そんな苦労をしながら、欅平~仙人谷ダムまで隧道(トンネル)を掘りぬいたそうです。しかもこのトンネルは温泉が湧くような高熱の鉱脈にあたっていて最高で岩盤温度が166度にも達したそうです。水を掛けたらジュッという音とともに水蒸気が立ち上る状態で普通では人が工事できる状況ではなかったそうです。

高熱隧道(Amazon)

まさにこの工事のための道が「下の廊下」であり、出来上がったトンネルが今から紹介する新しい宇奈月~黒部ダム間の「黒部ルート」の一部となっています。
このルートは現在一般開放されておらず、ダムや発電所の維持管理のために使われていて、人数制限を設けて見学会が実施されているレベルです。コロナ前には年間2千人くらいは見学できたそうですが、2021年は全面中止です。

この欅平~黒部ダム間が2024年に観光ルートとして開通予定となっているそうです。
コロナ前は立山黒部アルペンルートの利用者が年間約100万人だったそうですが、このルートのキャパは2万人程度だそうですので、一部の人が使う周遊ルートになるということですね。
22年23年の見学会や24年の開通の際には是非行ってみたいと思います。その時には恐ろしくて行けない「下の廊下」の一部でも、転落の危険のない範囲で安全に見学してみたいものです。

<参考情報>

命懸けの絶景登山道「黒部峡谷 下ノ廊下」は安全第一で!
志合谷泡雪崩事故・・・黒部第三発電所建設、隧道工事はやばい!・・・高熱隧道
黒部ダム 新ルート

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